胃・十二指腸の病気(胃潰瘍・胃がんなど)
胃は食べ物を消化する役割があります。胃には3層の筋肉があり、この筋肉が収縮して蠕動運動を行い、食べ物と胃液をかき混ぜます。胃液には強酸性の胃酸や消化酵素が含まれています。
十二指腸は、胃と小腸をつなぐ消化管です。胃で消化された食べ物に、すい液や胆汁などの消化酵素を混ぜて小腸に送る役割があります。
胃や十二指腸の病気で多いのは、胃酸やピロリ菌感染等によって粘膜が傷つけられて起きる胃潰瘍・十二指腸潰瘍、胃がん・十二指腸がんです。病気があっても症状が出ないことや、病気がなくても症状が出ることがあり、定期健診や内視鏡検査(胃カメラ)で状態を確認することが重要です。まだ内視鏡検査(胃カメラ)を受けたことがない方は、一度検査を受けてみられることをおすすめします。
胃・十二指腸の病気について
主な胃・十二指腸の病気
胃潰瘍・十二指腸潰瘍
胃潰瘍は、胃の粘膜の表面が胃酸で溶かされている状態です。
十二指腸潰瘍は、十二指腸の粘膜の表面が胃酸で溶かされている状態です。
強酸性の胃液と、胃や十二指腸の表面を保護する粘液の分泌量のバランスが崩れることで生じます。
<症状>
・みぞおちが痛む(胃潰瘍は食事中から食後にかけて、十二指腸潰瘍は空腹時に痛みが生じることが多いです。)
・胸やけ
・吐き気
<原因>
・ピロリ菌感染 (※ピロリ菌外来にリンクを貼る)
・解熱鎮痛薬
・ストレス
<治療>
胃酸を抑える飲み薬を内服いただきます。当院では、患者様の状態に応じたお薬を一緒に選びます。
また、ピロリ菌感染の場合は除菌治療を行います。
胃がん・十二指腸がん
胃壁の内側の粘膜や十二指腸の内側の粘膜に発生するがんです。特に、50代以上の男性に多いです。
ピロリ菌感染により慢性的な炎症が続くと、がんの発症リスクが高まります。また、胃がんが原因で胃潰瘍が起こることもあります。
進行した状態で見つかると、余命が短いため、早期発見・早期治療が重要です。
<症状>
初期は自覚症状がほとんどありません。かなり進行しても症状がない場合があります。
・胃の痛み
・胸やけ
・吐き気
・食欲不振
<原因>
・ピロリ菌感染
・喫煙
・塩分の過剰摂取
<治療>
検査で胃がん・十二指腸がんが見つかった場合は、専門の医療機関を紹介させていただき、手術を受けていただきます。術後はお薬を内服し、治療を継続します。
胃・十二指腸の検査
内視鏡検査(胃カメラ)で状態を判断します。先端にカメラのついたチューブを口もしくは鼻から挿入し、胃や十二指腸の内部を映す検査です。
内部の少しの色の変化や、粘膜のわずかな凹凸を鮮明に見ることができます。がんを疑う病変があれば、その時に組織を採取して、病理検査にかけることもできます。