大腸の病気(大腸炎・大腸がん・大腸ポリープなど)
大腸は、小腸と肛門をつなぐ長さ1~1.5mほどの臓器です。
小腸は食べ物の大部分の栄養素を吸収し、残りを大腸に送ります。大腸は水やナトリウムを吸収して便にし、肛門へと送ります。
大腸の病気で多いのは、感染性大腸炎、大腸憩室炎、過敏性腸症候群、大腸ポリープ、大腸がんです。
大腸ポリープは胃のポリープと異なり、がんになりやすいです。また、大腸がんは初期に症状がないことが多く、定期健診を受けることが重要です。
大腸はトラブルの多い臓器です。おなかが痛い、下痢、便秘、便に血が混ざっているなどの症状があれば、ご相談ください。
大腸の病気について
主な大腸の病気
感染性腸炎
感染性大腸炎とは、細菌感染やウイルス感染により大腸が炎症を起こしている状態です。
夏は細菌によるものが多く、冬はノロウイルスなどのウイルスによるものが多いです。
<症状>
・下痢
・腹痛
・下血、血便、発熱を伴うこともあります。
<原因>
・細菌
・ウイルス
<治療>
対症療法が中心で、整腸剤を飲んでいただきます。細菌感染によるものの場合は抗生剤を処方します。
下痢による脱水を防ぐために、水分補給が重要です。脱水がひどい場合は点滴を行います。
大腸憩室炎
“憩室”とは、大腸の壁の一部が外に向かって飛び出した風船状の袋のことをいいます。
大腸憩室炎とは、この憩室の中で炎症が起きている状態です。
憩室があるだけでは症状はありません。
<症状>
・下腹部の痛み
・下痢
・便秘
・軽い発熱
<原因>
・細菌
<治療>
炎症が軽ければ、抗生剤を飲んでいただき、絶食などの食事管理をします。
重症の場合は専門の医療機関を紹介させていただきます。
過敏性腸症候群
過敏性腸症候群とは、大腸に潰瘍や炎症などの異常がないにもかかわらず、慢性的に腹痛や下痢、便秘などの症状がある状態です。
<症状>
・下腹部の痛み
・下痢
・便秘
<原因>
・ストレス
・生活リズムの乱れ
・アルコール
<治療>
症状を抑えるお薬を内服いただきます。
大腸ポリープ
大腸ポリープとは、大腸の内面にできる隆起のことです。症状がないことが多く、便潜血検査で判明することが多いです。
大腸のポリープは胃のポリープと異なり、がん化しやすいです。
<症状>
自覚症状はほとんどありません。
<検査>
便潜血検査で潜血があれば、専門の医療機関を紹介させていただきます。
そこで、大腸内視鏡検査(大腸カメラ)を受けていただき、ポリープの有無やがんの有無を調べます。
大腸がん
大腸の内側の粘膜や十二指腸の内側の粘膜に発生するがんです。
日本のがん疾患における罹患率が高く、死亡率も高いがんです。
自覚症状がなく、健診で発見されることが多いです。発見が早期であれば、内視鏡などで除去することができます。
<症状>
初期は自覚症状がありません。
進行すると、下痢や便秘、血便、下血を繰り返します。
<検査>
便潜血検査で潜血があれば、専門の医療機関を紹介させていただきます。
そこで、大腸内視鏡検査(大腸カメラ)を受けていただき、がんの有無を調べます。
がんが見つかれば、CTやMRI検査でがんや大腸の状態を詳しく調べます。
虫垂炎
大腸の入り口にある盲腸には、5~10cmほどの突起物があります。この部分を“虫垂”といいます。
虫垂炎は、ふん石(消化管の内容物)などが蓄積し、虫垂が炎症を起こしている状態です。急激な腹痛が特徴です。一般的に「盲腸」と呼ばれます。
放置すると穴があいて、膿がおなかの中に浸出し、腹膜炎になることもあります。
<症状>
・右下腹部の痛み
・みぞおちの痛み
・吐き気がある
<治療>
検査で虫垂炎が見つかった場合は、専門の医療機関を紹介させていただきます。